2019年4月7日

放置すると怖い虫歯!知っておくべき虫歯の基礎知識

虫歯と聞くと、歯に穴が開いている、黒い穴というイメージを想像する方も非常に多いのではないでしょうか。
でも虫歯といっても穴が開いていない虫歯から、根っこの先まで膿んでしまう状態まで様々です。
ひとこと虫歯といっても進行状況は様々です。
そこで今回は、知っておいて欲しい虫歯の基礎知識と、どうして虫歯を放置すると怖いのか、その理由を解説していきます。

1. 虫歯とは?

 むし歯とは専門用語では齲蝕と呼ばれています。
細菌によって糖から酸が作りだされ、この酸によって歯が溶けてしまう病気が齲蝕です。
むし歯を引き起こす細菌として、ミュータンス連鎖球菌が有名です。
酸を作る力が強く、砂糖を使って歯垢(専門用語で不溶性グルカン)を合成し、ツルツルな歯の表面にも
強固にくっつきます。
そして歯垢の中で酸を作り、歯の表面を溶かしていきます。
ですが、砂糖を食べてすぐに酸が作られるわけではありません。
酸が作られる前に、歯に歯垢が付着するのを予防することでむし歯を予防できます。
虫歯を予防するためには、いつまでもダラダラお菓子を食べずに、こまめにお茶を飲んだり、
歯磨きをすることが重要です。
何よりもむし歯はなってから治療するのではなく、むし歯を発症する前に予防することが
1番大切なことです。

2. 虫歯を放置してはいけない理由

 むし歯を放置してはいけない理由、それは風邪やインフルエンザのように「自然治癒」しないからです。
後述する初期むし歯と呼ばれる状態であれば、再びミネラルを取り込んで再石灰化し、治りますが、
進行してしまうと、むし歯は自然に治るができなくなります。
さらに進行すればするほど、歯の神経、最終的には歯を支える骨にまで炎症を引き起こしてしまいます。
だからこそ、むし歯は放置せず、なってしまった場合は早急に治療を受けなくてはいけません。

3. 虫歯の進行状態

むし歯は進行状態によって、C0、C1、C2、C3、C4という分類をされます。
(Cとは英語のcariesの頭文字をとっています。数字が大きくなるとそれだけむし歯が大きくなっていることを示します)

3-1.C0

歯の表面(エナメル質)だけ溶かされている状態で、穴は開いていません。
そのため、再石灰化によって唯一、治癒する初期むし歯です。
しっかり噛んで唾液分泌を促したり、フッ素入りの歯磨きでしっかりと歯磨きをしたり、
歯科医院でのフッ素塗布を受けることで治癒します。
コンポジットレジン0

3-2.C1

歯の表面のエナメル質に穴が開いてしまっているむし歯がC1です。
痛みをこの段階では感じません。少し削って、白い詰め物であるコンポジットレジン修復で治療ができます。
1回の治療ですみます。
コンポジットレジン1

3-3.C2

さらに虫歯が進行して、象牙質と呼ばれるところまで虫歯が進行している状態です。
冷たいものがしみて、痛みを感じ始めます。
麻酔が必要な場合もあります。また大きい穴の場合は、コンポジットレジン修復では難しいので
銀歯で治療する必要性が出てきます。銀歯の場合は最低でも2回の来院が必要となります。
また神経に近いところまで虫歯が大きくなれば、神経に炎症が起きていることもあり、神経の炎症を鎮める
お薬を詰めてから、詰め物や銀歯の治療をすることもあります。
歯の神経に進行する一歩手前の状況のため、C1と比べると、どうしても治療回数が増えてしまいます。
コンポジットレジン2

C2から虫歯が進行して、歯の神経、歯髄にまで虫歯菌が感染してしまった状態です。
しみて、噛むと痛みが出たり、常にズキズキとした痛みが出てきます。
麻酔をして神経をとる治療を行います。
神経を取ったところに炎症を抑えるお薬を詰めます。痛みが強い場合は、お薬を交換する治療が2回程度続きます。そして詰め物や銀歯の治療が必要となります。
症状にもよりますが、治療回数が5回以上かかってくることもあります。
コンポジットレジン3

3-5.C4

虫歯が進行して歯の根っこだけになってしまった状態です。
神経は腐っている状態で、悪臭がしたり、歯茎から膿が出たり、根っこの先で、
骨を溶かしてしまっていることもあります。
神経が死んでいるため痛みを感じなくなる場合もありますが、そのまま放置すると
さらに骨にまで感染し、強烈な腫れを引き起こすことがあります。
根っこが保存できそうな状態であれば、根っこの治療を行い、かぶせ物をします。
治療回数は7回、さらにもっとかかることもあります。
残せないほど大きな虫歯の場合は歯を抜き、差し歯、インプラント、入れ歯治療へ移行します。
コンポジットレジン4

4. 虫歯予防に大切なこと

虫歯予防で大切なこと、それは、早め早めに歯科医院に通うことです。
できれば最低でも半年に1回の歯の定期検診を受けることで、初期むし歯の進行を食い止めることができます。
プレジデントが2012年に行った、リタイア前にやるべきだった後悔トップ20の第1位はなんと
「歯の定期検診を受ければよかった」です。
歯を失う前に、歯の定期検診を受けて、むし歯を予防しましょう。

まとめ

むし歯は初期のC0という状態以外は自然に治ることはありません。
しかも進行すればするほど、治療回数も費用もかかってきます。
退職前に、歯の定期検診を受けて入ればよかったと後悔する前に、最低でも半年に1度は
歯の定期検診を受けて、むし歯予防を行いましょう。
志摩市阿児町鵜方のはね歯科医院では、お子さんから高齢者の方の歯の定期検診はもちろん、
むし歯予防にも力を入れています。お気軽のお問い合わせください。