2019年4月10日

知ってた?!認知症と口腔ケアの密接な関係

年齢を重ねていくと徐々にお口の機能も低下してきます。そんなお口の機能低下が今、さまざまな病気の原因になると話題になっています。お口の機能と密接に関係する疾患として、「認知症が」あります。今回は認知症とお口のケアの関係性についてご紹介していきます。

1. お口のケアと認知症の関係性

「よく噛んでご飯を食べましょう」とよくお母さんから注意された方もいらっしゃるかと思います。噛むことは脳の活性化につながるのですが、歯を失ってしまうことは「アルツハイマー型認知症」のリスクを上昇させることが明らかになっています。

歯を失う主な原因は「歯周病」と「虫歯」です。中でも歯周病は糖尿病と密生な関係にあります。歯周病の人は糖尿病が重症化しやすく、逆に糖尿病の人は歯周病が重症化しやすくなります。

認知症も歯周病と同じような関係性にあることを考えると、歯周病で糖尿病が悪化することによって認知症も増悪するという悪循環に陥る可能性があるのです。

最近では国立長寿医療研究センターや名古屋市立大学の研究グループの報告によると、血液を介して脳内に入り込んだ歯周病の原因菌がアルツハイマー型認知症の原因の1つであるアミロイドβタンパクを増やし、認知症を悪化させることがわかってきました。認知症においても歯周病予防や歯を失わないようにメンテナンスに歯科医院に通うことはとても重要なのです。

歯の定期検診や1か月に一度、歯石とりに通うことは認知症予防の面でもとても大切なことなのです。

2. 家族が認知症になったら、、、

認知症は家族の負担が大きい疾患の1つです。ただし、認知症=死 ということではありません。認知症と診断されたら、まだ意思決定ができる段階で今後、どのような最後を迎えたいかしっかりと家族と話し合う必要があります。

日常生活においては本人のプライドが傷つかないように否定的な言動は避けましょう。精神活動に悪い影響を与え、怒りっぽくなったりしてさらに対応が難しくなってしまうことがあります。認知症は今日できたから明日もできる、今日できないことは明日もできないとは限らない病気ですから、本人が望むならやってもらいできるかどうか見守ることが大切です。なかなか線引きが容易ではありませんが、それでも達成感を感じることで本人にはとても良い刺激になり、精神的にも安定します。

もしも、認知症が疑われたなら、かかりつけ医や認知症疾患医療センター、地域包括支援センターなどを活用して相談しましょう。